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ドッグセラピストについて

ドッグセラピストとは……

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動物を使った治療法であるアニマルセラピーの一種で、特殊な訓練を受けたセラピードッグと必要な知識や技術を学んだドッグトレーナーが、高齢者施設や児童施設などを訪問し、セラピードッグを介在させながら参加者のQOLを向上させたり自立を支援したりする、そういった活動のことをドッグセラピーいいます。そのドッグセラピーを行えるドッグトレーナーのことをドッグセラピストといいます。

ドッグセラピストのやりがい

ドッグセラピーは、セラピードッグとドッグセラピストが二人三脚となって、参加者の支援をおこないます。ドッグセラピストは、訪問する施設でどのような目的を持ってプログラムを実施するのか、を計画しなければなりませんし、必要であれば、実施日までにプログラムをセラピードッグに教えます。その繰り返しが、セラピードッグとドッグセラピストの連携を強くし、参加者により楽しんでもらえるドッグセラピーにつながります。それが、ドッグセラピーの醍醐味でやりがいでもあります。

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ドッグセラピーって何?

ドッグセラピーの3つの定義

ドッグセラピーはイヌの持つ不思議な力を利用してヒトの精神作用にプラスに寄与させようという取組のひとつで、AAA(Animal Assisted Activity:動物介在活動)・AAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)・AAE(Animal Assisted Education:動物介在教育)の3つの分野に分けられます。それぞれ目的も異なりますし、参加者も変わります。

AAA
Animal Assisted Activity
動物介在活動

目的:ヒトに癒しをもたらす
対象者:全てのヒト
参加人数:少数から多数

AAT
Animal Assisted Therapy
動物介在療法

目的:参加者の医学的治療
対象者:精神的、身体的に治療が必要な患者
参加人数:少数(原則として5名以下)
AATは治療が目的となるので、ドッグセラピストと医療従事者がチームになって活動をします。

AAE
Animal Assisted Education
動物介在教育

目的:動物を通した命の大切さや思いやりなどの学習
対象者:幼児・児童
参加人数:少数から多数

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ドッグセラピーのプログラム

ドッグセラピーは1回の訪問で約30〜60分実施し、その時間内で参加者に合わせたプログラムを実施します。代表的なプログラムとしては、ふれあい、キャッチボール、参加者が指示をいれるプログラム、ミルクを与えるプログラムなどがあります。

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ドッグセラピーのアプローチ

ドッグセラピーは単にセラピードッグと触れ合うだけで自立支援になったり、QOLが向上したりといった効果が生まれるわけではありません。ドッグセラピストが以下の3つのアプローチを取り入れ、セラピードッグと共にプログラムをおこなうことで、その効果は生まれることになります。

心理的アプローチ

セラピードッグに帽子

心理的アプローチは、セラピードッグとゲームをしたり、おやつやミルクなどをあげたりしながらふれあうプログラムを通し、参加者の気持ち(不安感や焦燥感など)を和らげていくことを目的としています。
緊張や不安といった心の壁が崩れると、参加者はより意欲的にプログラムに参加し、他者とも積極的にコミュニケーションをとるようになりますので、ドッグセラピストは参加者がより積極的に、より楽しんでプログラムに参加できるように、常に臨機応変に対応する必要があります。

身体的アプローチ

児童の輪

身体的アプローチは、参加者の身体的な運動機能回復を目的としています。 例えば、歩行機能を回復することを目的とする参加者には、セラピードッグとの散歩を提案します。セラピードッグが楽しそうに参加者の横を歩くことで、参加者は自発的に足を前に進めることができます。
指先を動かすことを目的とする参加者には、セラピードッグの首にかける名札の作成を提案します。名札が出来上がるのを待つセラピードッグがそばにいることで、参加者はセラピードッグに似合うように名札を作成します。そして、それが結果として指先を動かす事につながります。ドッグセラピストは、参加者が意欲的に身体を動かせるよう、プログラムを考え、現場では積極的に声掛けをします。

社会性を身につけるためのアプローチ

他者と協力して何かをやりとげることや他者に配慮して活動することなどを意識してもらうことを目的とします。 例えば、参加者が児童の場合、セラピードッグを複数頭訪問させ、セラピードッグ別にグループに分けて名札を作成してもらいます。その際、ドッグセラピストはセラピードッグの性別、年齢、性格などの情報を伝え、どのような名札にすればセラピードッグに似合うか問いかけます。そして、児童たちが名札を完成させるためには、自身の意見を伝えるだけではなく他者の意見を取り入れることや協力し合うことなどが必要であるということを学んでもらいます。その際、ドッグセラピストは、励ましたり、見守ったりします。

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WDAで学べること

セラピードッグの訓練方法

セラピードッグの訓練は、まずヒトを大好きになるようにさまざまなヒトからおやつをもらったり、遊んでもらったり、撫でてもらったり、などして、イヌに動機付けを行う作業からはじめます。 その後、基本訓練(リード付き・ノーリード・遠隔操作)を経て、特殊訓練に進みます。 特殊訓練は、参加者が投げたボールをその投げた参加者の手元まで届けることや指示されたモノを選んで持って来ること、そしてドッグセラピストだけではなく参加者の指示に従えるようになることなど、やや高度な内容となっています。

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ドッグセラピストに必要なスキル

ドッグセラピーは、さまざまな施設で、さまざまな参加者に対してセラピードッグと連携しながら活動をおこないます。その際、ドッグセラピストにはどのようなスキルが必要なのでしょうか?

セラピードッグの長所を伸ばす

セラピードッグが楽しまないと参加者はプログラムに参加してくれません。そのため、セラピードッグを訓練する時は、決して強制はせずセラピードッグが活き活きするようにほめながら教えます。つまり、ドッグセラピストには、セラピードッグの性格をしっかりと観察し、長所(ボールが好き、ドッグダンスが得意など)を伸ばすスキルが必要なのです。

参加者に寄り添う

ドッグセラピストは、参加者のQOLを向上させたり自立を支援したりする目的を果たすために、参加者の気持ちに寄り添い、参加者が求めていることを常に探りながらイベントを進めていくことが大切です。

危険を回避する

経験を積んだセラピードッグでも、不適切な行動を起こす時があります。例えば、高齢者施設などでセラピードッグが喜んで飛びつき高齢者を転倒させてしまうといったケースです。ドッグセラピストは、事故が起こらないよう、さまざまなことを想定し細心の注意を払う必要があります。注意力を研ぎ澄ますことは、参加者のみならずセラピードッグを守ることにもつながります。

幅広い知識を持つ

ドッグセラピストは、セラピードッグがパートナーなので、イヌの行動学や管理方法などの知識は必須です。ただ、さまざまな施設を訪問することになりますので、以下のようなイヌの行動とは直接結びつかない幅広い知識も持っておく必要があります。

獣医学、特に人畜共通感染症の知識

施設は感染症などに関してはとても気を付けています。そのため、施設から感染症について聞かれることもありますので、知識は必須です。

リハビリテーション学

ドッグセラピーは参加者への援助をおこなうため、リハビリテーション学の知識も必要です。リハビリテーションで基本となるQOLやADLなどの知識があると、目的をブレずに進めることができます。また、ドッグセラピーの参加者の中には、作業療法や理学療法、言語聴覚療法を受けている方も少なくありません。参加者をより理解するためには必要な知識となります。

心理学

参加者の心に寄り添う際に、参加者の心理を無視することはできません。参加者の心の中の問題や真に求めていることを探ることは、参加者を援助する為に必要なスキルです。

その他

ドッグセラピーの効果検証で、毎週同じプログラムを同じセラピードッグと同じセラピストで実施すると、4週間目には参加者の集中力が落ちたといった研究結果があります。これは、毎回同じことをすると飽きがくるということを示唆しています。そのため、参加者が毎回新鮮な気持ちで参加ができるようにプログラムに変化をつけることが必要です。プログラム企画力もきわめて大切な能力となります。

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