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ドッグセラピストについて

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ドッグセラピーとは

セラピードッグと児童

ドッグセラピーとは、動物を使った治療法であるアニマルセラピーの一種で、特殊な訓練を受けたセラピードッグと必要な知識や技術を学んだドッグセラピストが、高齢者施設や児童施設などを訪問し、セラピードッグを介在させながら参加者のQOLを向上させたり自立を支援したりする、そういった活動のことをいいます。

※QOLとは
QOL(Quality of Life)とは日本語で生活・人生・生命の質(3つの質)と略されています。 QOLを向上させることは、快適な生活や充実した生き方そして「幸福」や「満足」につながります。

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セラピードッグの訓練

セラピードッグの訓練

セラピードッグの訓練は、まず人が大好きになるようにさまざまな人からおやつをもらったり、遊んでもらったり、撫でてもらったり、などして、犬に動機付けを行う作業からはじめます。 その後、基本訓練(リード付き・ノーリード・遠隔操作)を経て、特殊訓練に進みます。 特殊訓練は、参加者が投げたボールをその投げた参加者の手元まで届けることや指示されたモノを選んで持って来ること、そしてドッグセラピストだけではなく参加者の指示に従えるようになることなど、やや高度な内容となっています。

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ドッグセラピープログラム

ドッグセラピーは1回の訪問で約30〜60分実施し、その時間内で参加者に合わせたプログラムを実施します。代表的なプログラムとしては、ふれあい、キャッチボール、参加者が指示をいれるプログラム、ミルクをあげるプログラムなどがあります。

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ドッグセラピーの3つの定義

日本では、アニマルセラピーやドッグセラピーという名称が用いられていますが、一般的には、AAA(Animal Assisted Activity:動物介在活動)・AAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)・AAE(Animal Assisted Education:動物介在教育)の3つに分けられます。そして、それぞれの分野で目的や参加者も変わります。

■ AAA(Animal Assisted Activity:動物介在活動)

目的:動物とのふれあいやプログラムに参加することで楽しんでもらう
対象となる人:全ての人が対象
参加人数:少数から大人数

■ AAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)

目的:参加者の治療が目的
対象となる人:精神的、身体的に治療が必要な患者
参加人数:5名以下 ※ 症状などによって人数は変わります。
AATは治療が目的となるので、ドッグセラピストと医療従事者がチームになって活動をします。

■ AAE(Animal Assisted Education:動物介在教育)

目的:動物を通して命の大切さや思いやりなどを学ぶ
対象となる人:幼児・児童
参加人数:少人数〜大人数 ※ プログラム内容によって変わります。

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ドッグセラピーのアプローチ方法

ドッグセラピーは単にセラピードッグと触れ合うだけで自立支援になったり、QOLが向上したりといった効果が生まれるわけではありません。ドッグセラピストが以下の3つのアプローチを取り入れ、セラピードッグと共にプログラムをおこなうことで、その効果は生まれることになります。

セラピードッグ

■ 心理的アプローチ

心理的アプローチは、セラピードッグとゲームをしたり、おやつやミルクなどをあげたりしながらふれあうプログラムを通し、参加者の気持ち(不安感や焦燥感など)を和らげていくことを目的としています。 緊張や不安といった心の壁が崩れると、参加者はより意欲的にプログラムに参加し、他者とも積極的にコミュニケーションをとるようになります。 ドッグセラピストは参加者がより積極的に、より楽しんでプログラムに参加できるように、常に臨機応変に対応する必要があります。

セラピードッグに帽子

■ 身体的アプローチ

身体的アプローチは、参加者の身体的な運動機能回復を目的としています。 例えば、歩行機能を回復することを目的とする参加者には、セラピードッグとの散歩を提案します。セラピードッグが楽しそうに参加者の横を歩くことで、参加者は自発的に足を前に進めることができます。 指先を動かすことを目的とする参加者には、セラピードッグの首にかける名札の作成を提案します。名札が出来上がるのを待つセラピードッグがそばにいることで、参加者はセラピードッグに似合うように名札を作成します。そして、それが結果として指先を動かす事につながります。ドッグセラピストは、参加者が意欲的に身体を動かせるよう、プログラムを考え、現場では積極的に声掛けをします。

児童の輪

■ 社会性を身につけるためのアプローチ

人と関わる中で他者と協力して何かをやりとげることや他者に配慮して活動することなどを意識してもらうことを目的とします。 例えば、参加者が児童の場合、セラピードッグを複数頭訪問させ、セラピードッグ別にグループに分けて名札を作成してもらいます。その際、ドッグセラピストはセラピードッグの性別、年齢、性格などの情報を伝え、どのような名札にすればセラピードッグに似合うか? を投げかけます。そして、児童たちが名札を完成させるためには、自身の意見を伝えるだけではなく他者の意見を取り入れることや協力し合うことなどが必要であるということを学んでもらいます。その際、ドッグセラピストは、励ましたり、見守ったりします。

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ドッグセラピストに必要なスキル

ドッグセラピーは、さまざまな施設で、さまざまな参加者に対してセラピードッグと連携しながら活動をおこないます。その際、ドッグセラピストにはどのようなスキルが必要なのでしょうか?

■ セラピードッグの長所を伸ばすこと

セラピードッグが楽しまないと参加者はプログラムに参加してくれません。その為、セラピードッグを訓練する時は、決して強制はせずセラピードッグが活き活きするようにほめながら教えます。つまり、セラピードッグの性格をしっかりと観察し、長所(ボールが好き、ドッグダンスが得意など)を伸ばすスキルが必要なのです。

■ 参加者に寄り添うこと

ドッグセラピストは、ドッグセラピー参加者のQOLを向上させたり自立を支援したりする為に、参加者の気持ちに寄り添い、参加者が何を求めているか? を常に意識することが大切です。

■ 危険を回避すること

経験を積んだセラピードッグでも、不適切な行動を起こす時があります。例えば、高齢者施設などでセラピードッグが喜んで飛びつき高齢者を転倒させてしまうといったケースです。ドッグセラピストは、事故がおこらないよう、さまざまなことを想定し細心の注意を払う必要があります。注意力を研ぎ澄ますことは、参加者のみならずセラピードッグを守ることにもつながります。

■ 幅広い知識を持っておくこと

ドッグセラピストは、セラピードッグがパートナーなので、犬の行動学や管理方法などの知識は必須です。ただ、さまざまな施設を訪問することになりますので、犬とは直接結びつかない幅広い知識も持っておく必要があります。

・ 人畜共通感染症の知識

施設は感染症などに関してはとても気を付けています。その為、施設から感染症について聞かれることもありますので、知識は必須です。

・ リハビリテーション学

ドッグセラピーは参加者への援助をおこなうため、リハビリテーション学の知識も必要です。リハビリテーションで基本となるQOLやADLなどの知識があると、目的をブレずに進めることができます。また、ドッグセラピーの参加者の中には、作業療法や理学療法、言語聴覚療法を受けている方も少なくありません。参加者をより理解する為には必要な知識となります。

・ 心理学

参加者の心に寄り添う際に、参加者の心理を無視することはできません。参加者の心の中でどういった問題があり、真に求めていることは何なのか? といったことを探ることは、参加者を援助する為に必要なスキルです。

■ プログラムの企画力

ドッグセラピーの効果検証で、毎週同じプログラムを同じセラピードッグと同じセラピストで実施すると、4週間目には参加者の集中力が落ちたといった研究結果があります。これは、毎回同じことをすると飽きがくるということを示唆しています。その為、参加者が毎回新鮮な気持ちで参加ができるようにプログラムに変化をつけることが必要です。

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ドッグセラピストのやりがい

高齢者施設のドッグセラピー

ドッグセラピーは、セラピードッグとドッグセラピストが二人三脚となって、参加者の支援をおこないます。ドッグセラピストは、訪問する施設でどのような目的を持ってプログラムを実施するのか? を計画しなければなりませんし、必要であれば、実施日までにプログラムをセラピードッグに教えます。 その繰り返しが、セラピードッグとドッグセラピストの連携を強くし、参加者により楽しんでもらえるドッグセラピーにつながります。それが、ドッグセラピーの醍醐味でやりがいでもあります。

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